2016.11.09
山形市立第一小学校にてワークショップを実施しました
創造性開発研究センターでは今年度、山形市立第一小学校の4年生と6年生にそれぞれご協力をいただきワークショップを実施してきました。ワークショップの担当はいずれも創造性開発研究センターの研究員で、子どもたちの創造性がより発揮できるよう企画しました。その最終回である第4回目のワークショップが、先日行われました。
6年生のみなさんは、やまがた藝術学舎の春のワークショップでも行なった「トリミテカク」を行いました。担当はこども芸術大学の矢作鹿乃子先生です。
まずは何も見ずに鳥の絵を描いてみます。その後、大学の日本画コースから借りてきた鳥の剥製が並ぶと、みんなから「本物みたい!」との声も。矢作先生から剥製の説明を受けてから、鳥を描くコツを教わります。
コツは、シンプルに「よく見て描く」ということ。くちばしはどのような形なのか、羽根はどうなっているのか、足の指の本数は何本なのか…答えは目の前にあります。じっと剥製を見て、そのまま描く。たったそれだけです。
それぞれ好きな形・大きさの画用紙を選んでから、描きたい鳥を描いていきます。
始めのうちはどこから書き始めたら良いのか、どのくらいの大きさで描いたら良いのか悩んでいる様子も見られましたが、一度鉛筆が走り始めるとすらすらと鳥が描かれていきました。どんどんと描けるようになり、多い子は4,5枚ものスケッチを描き、また、ある子はじっくりと鳥の羽根の模様を色鉛筆で描き込んでいました。
十分に描く時間をとった後に、「何も見ないで描いた絵」と「剥製を見ながら描いた絵」を並べてみんなで鑑賞しました。その時、矢作先生からは「ともだちの絵が上手だと思ったら、うまいね!と声をかけてね」というアドバイスもありました。お互いの絵を見ながら「すごく上手!」「羽根のところが細かくてすごい!」という声があがり、和気あいあいとした雰囲気での鑑賞となりました。
最後に、矢作先生から「実物を見て描けば、こんなに上手に描けるんだ!と自信を持って欲しい」というお話がありました。今まで絵を描くことに苦手意識があった子も、今日の体験をきっかけに自信を持って絵を描けるようになったのではないかと思います。
同日、4年生は「世界一遅い球転がしに挑戦しよう!」のワークショップを行いました。担当はプロダクトデザイン学科教授の柚木泰彦先生です。プロダクトデザイン学科の学生4名もアシスタントとして参加し、子どもたちにアドバイスを行いました。
5,6人ずつ班に分かれ、木製の球が遅くゴールに着くよう、班ごとに相談しながらボードに木の棒と輪ゴムを設置していきます。
途中、他の班の様子も見てアイデアを真似してみたり、何度も球を転がして木の棒と輪ゴムの位置を変えたり試行錯誤を繰り返します。
ボードが出来上がったところで、各班のタイムを測っていきます。なかなか上手く転がらず、木球が止まってしまうことも。その場で木の棒や輪ゴムの位置を動かして修正をしていきます。ゆっくりと無事に木球がゴールまで辿り着くと、わっと大歓声が上がりました。
最後に、各クラスのボードを繋げてクラス対抗でタイムを競い合います。それぞれ4つのボードが並ぶと、圧巻の長さです。ボードとボードの間をうまく木球が通っていくか確認をして、タイムを測りました。
球転がしのワークショップは班やクラスのみんなと共に、与えられた素材で創意工夫し、試行錯誤を繰り返すプロセスを大事にしています。こういった体験を繰り返すことで、子どもたちの協調性や課題解決の能力が育まれるのではないかと考えています。
ご協力をいただきました山形市立第一小学校のみなさまに深く感謝申し上げます。
創造性開発研究センターでは引き続き、様々なワークショップを予定しております。出張ワークショップのご相談も受け付けておりますので、お気軽にご連絡下さい。
【お問合せ】
創造性開発研究センター事務局(担当:土屋)
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